1. 予測因子スクリーニング(単変量ロジスティック回帰)
フレイル改善(1=改善, 0=維持/悪化)を従属変数とした単変量ロジスティック回帰。体組成データは全て除外。
| 変数 | OR | 95% CI | p値 | 判定 |
| 年齢 |
0.968 |
0.882 - 1.063 |
0.4995 |
|
| 性別 |
0.375 |
0.132 - 1.063 |
0.0651 |
+ |
| BMI |
0.841 |
0.721 - 0.980 |
0.0267 |
* |
| 初回フレイル得点 |
1.737 |
1.046 - 2.885 |
0.0327 |
* |
| 通所回数 |
0.833 |
0.647 - 1.073 |
0.1572 |
+ |
| 初回TUG |
0.805 |
0.670 - 0.968 |
0.0210 |
* |
| 初回握力max |
0.954 |
0.882 - 1.031 |
0.2311 |
|
| 初回歩行速度(m/s) |
1.247 |
0.386 - 4.029 |
0.7125 |
|
| 初回2STEP値 |
4.182 |
0.210 - 83.241 |
0.3484 |
|
| 初回5回立ち座り |
0.966 |
0.894 - 1.044 |
0.3824 |
|
| 初回片脚立位max |
0.996 |
0.968 - 1.025 |
0.7913 |
|
| 初回長座体前屈 |
1.001 |
0.959 - 1.045 |
0.9627 |
|
| 初回健康感 |
0.775 |
0.486 - 1.234 |
0.2825 |
|
| 初回転倒恐怖 |
0.773 |
0.429 - 1.395 |
0.3928 |
|
| 初回関節痛数 |
1.908 |
1.018 - 3.575 |
0.0439 |
* |
| 初回多剤服用 |
0.725 |
0.277 - 1.900 |
0.5133 |
|
| 初回転倒歴 |
2.068 |
0.819 - 5.223 |
0.1241 |
+ |
*** p<0.001, ** p<0.01, * p<0.05, + p<0.2(多変量候補)
4. 抄録ドラフト
フォーマットA(980字以内)
タイトル: 介護予防C型サービスにおけるTUGブレイクポイントとフレイル改善予測因子の検討
【目的】介護予防・日常生活支援総合事業C型サービス(短期集中予防サービス)におけるフレイル改善の予測因子を検討すること、およびTimed Up and Go Test(TUG)の改善に関するブレイクポイントを明らかにすることを目的とした。
【方法】C型サービス利用者75名(平均年齢78.4±5.0歳、女性52名[69%])を対象とした後方視的観察研究である。体力測定(TUG、握力、歩行速度、2STEP、5回立ち座り、片脚立位、長座体前屈)および主観評価(健康感、転倒恐怖、関節痛数、多剤服用、転倒歴)を初回・最終で評価した。体組成計は一般消費者向け機器のため、体重以外の体組成データは妥当性が不十分として解析から除外した。フレイル改善(1=改善、0=維持/悪化)を従属変数とする単変量ロジスティック回帰(p<0.2)を経て多変量モデルを構築した。TUG変化量に対するセグメント回帰でブレイクポイントを同定した。
【結果】フレイル改善率は46.7%(35/75名)であった。セグメント回帰により初回TUG=13.72秒にブレイクポイントが同定された。TUG>13.7秒群では初期値が高いほどTUG改善量が大きかった(傾き=-1.019、R²=0.750)。多変量ロジスティック回帰の結果、初回フレイル得点(OR=2.87, 95%CI: 1.43-5.73, p=0.003)、初回TUG(OR=0.70, 95%CI: 0.54-0.91, p=0.007)、初回転倒歴(OR=3.59, 95%CI: 1.15-11.21, p=0.028)。モデルのAUCは0.821であった。
【結論】C型サービスにおいてTUG約14秒がフレイル改善に関連するブレイクポイントであることが示唆された。TUGが高値の対象者は改善量が大きいが、平均への回帰の影響も考慮する必要がある。体組成データに依存しない体力測定値のみでも予測因子の探索は可能であり、実践的な評価指標の選定に寄与する知見が得られた。
フォーマットB(1200字以内 + 倫理的配慮)
タイトル: 介護予防C型サービスにおけるTUGブレイクポイントとフレイル改善予測因子の検討
【はじめに】C型サービス(短期集中予防サービス)はフレイル高齢者の機能改善を目指す期間限定サービスである。効果を最大化するにはフレイル改善の予測因子解明が重要だが、先行研究で用いられる体組成指標は一般消費者向け機器では妥当性に課題がある。本研究は体組成データに依存せず、体力測定と主観評価のみでフレイル改善予測因子を検討し、TUG改善のブレイクポイントを明らかにすることを目的とした。
【方法】C型サービス利用者75名(平均年齢78.4±5.0歳、女性52名[69%])を対象とした後方視的観察研究である。TUG、握力、歩行速度、2STEP値、5回立ち座り、片脚立位、長座体前屈と主観評価(健康感、転倒恐怖、関節痛数、多剤服用、転倒歴)を初回・最終で評価した。体組成計データ(体重除く)は全て除外した。フレイル改善を従属変数とする単変量ロジスティック回帰(p<0.2)で変数選択後、VIF>10の変数を除外して多変量モデルを構築した。TUG変化量にはセグメント回帰を適用した。
【結果】フレイル改善率は46.7%(35/75名)であった。セグメント回帰でTUG=13.72秒にブレイクポイントが同定された。多変量ロジスティック回帰では初回フレイル得点(OR=2.87, 95%CI: 1.43-5.73, p=0.003)、初回TUG(OR=0.70, 95%CI: 0.54-0.91, p=0.007)、初回転倒歴(OR=3.59, 95%CI: 1.15-11.21, p=0.028)。AUCは0.821、感度0.91、特異度0.57であった。
【考察】TUG約14秒がフレイル改善の閾値として示唆されたが、初期値が高い者ほど改善量が大きい結果は「平均への回帰」の影響を含みうる。対照群のない観察研究のため介入効果と自然変動の分離はできない。妥当性に課題のある体組成データを排除し、標準的体力測定のみで解析した点が本研究の特徴である。n=75と小規模であり一般化には検証が必要である。
【結論】C型サービスにおいてTUG約14秒がフレイル改善のブレイクポイントであり、体組成データに依存しない予測因子探索が可能であることが示された。
【倫理的配慮】本研究は○○倫理審査委員会の承認を得て実施した(承認番号: ○○)。対象者には書面で説明し同意を得た。データは匿名化して管理し個人特定に配慮した。ヘルシンキ宣言および「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」を遵守した。利益相反はない。