介護予防・日常生活支援総合事業(以下「総合事業」)において、事例検討や多職種連携の場で利用者情報を共有する際は、 個人を特定できないよう匿名化(ブラインド処理)を行うことが法律で求められています。
個人情報取扱事業者の義務として、利用目的の特定・制限、安全管理措置、第三者提供の制限等を規定。2025年改正で罰則強化。
介護支援専門員等は、正当な理由なしに業務上知り得た秘密を漏らしてはならない(第69条の37等)。
指定介護予防サービス等の運営基準において、従業者の守秘義務及び退職後の秘密保持を規定。
社会福祉士及び介護福祉士法、理学療法士及び作業療法士法、保健師助産師看護師法など、各資格法で守秘義務を規定。
以下の情報は、事例検討や資料作成時に必ずブラインド処理を行ってください。
| 区分 | 項目 | ブラインド方法 | 記載例 |
|---|---|---|---|
| 必須 | 氏名 | イニシャル、仮名、またはアルファベット記号に置換 | 「A氏」「Bさん」 |
| 住所 | 市区町村レベルまでに省略、または「X市Y町」等 | 「○○市内」 | |
| 生年月日 | 年齢のみ記載、または年代に変換 | 「80代前半」 | |
| 電話番号・連絡先 | 完全に削除 | 記載しない | |
| 介護保険被保険者番号 | 完全に削除 | 記載しない | |
| 要注意 | 家族構成・家族の氏名 | 続柄のみ記載、家族も仮名化 | 「長男(同居)」 |
| かかりつけ医・医療機関名 | 固有名詞を伏せ、診療科・規模のみ | 「近隣の内科クリニック」 | |
| 利用サービス事業所名 | サービス種別のみ記載 | 「通所型サービスA」 | |
| 居住環境の詳細 | 特定につながる情報を削除 | 「戸建て・2階建て」 | |
| 配慮 | 顔写真・外見の特徴 | 写真使用時は目元をマスキング、または使用しない | 写真不使用を推奨 |
| 職歴・経歴 | 業種・職種レベルに一般化 | 「元会社員」 | |
| 趣味・嗜好の詳細 | 特定につながる場合は一般化 | 「散歩が好き」 |
田中花子さん(82歳、川崎市高津区溝口2-1-1在住)。長男の田中太郎さん(55歳)と二人暮らし。 かかりつけ医は溝口駅前の山田内科。要支援1。通所型サービスCの「ふれあい健康教室」を週2回利用中。
A氏(80代前半・女性、B市内在住)。長男(50代)と二人暮らし。 かかりつけ医は自宅近隣の内科クリニック。要支援1。通所型サービスCを週2回利用中。
鈴木一郎さんの担当者会議。訪問介護のケアワーク横浜の佐藤さんから報告。 鈴木さんは横浜市港北区の市営住宅にお住まい。
C氏の担当者会議。訪問介護事業所の担当者から報告。 C氏はD市内の集合住宅にお住まい。
| 場面 | ブラインド要否 | 補足 |
|---|---|---|
| 事業所内カンファレンス | 原則不要(関係者限定) | ただし記録文書を外部に持ち出す場合はブラインド必須 |
| 地域ケア会議 | 必須 | 多機関参加のため、必ず匿名化。市区町村の個人情報保護条例に基づく |
| 事例検討会・研修 | 必須 | 本人同意がない場合は匿名化が必要。同意がある場合も最小限の開示に |
| 学会発表・論文 | 必須+同意 | 匿名化に加え、十分な匿名化が困難な場合は本人の書面同意が必要 |
| 電子メール・FAX | 必須 | 誤送信リスクあり。ブラインド処理済み文書のみ送信 |
| 口頭での多職種相談 | 実名使用は関係者間のみ | 周囲に第三者がいないか確認。公共の場での相談は不可 |
資料配付・発表の前に、以下を確認してください。